フェアユースとは

他人の著作物を自分のウェブサイトに転載した場合、著作権侵害に問われることがあります。ただし、フェアユース(fair useに該当する場合は著作権侵害となりません。

ここでは、フェアユースとは何か、フェアユースが認められるケースと認められないケースをご紹介します。

フェアユースとは

フェアユースは、著作権侵害の主張に対する抗弁理由の一つで、「一定の条件を満たしている場合に著作権侵害の主張を認めない」というものです。

アメリカの著作権法107条では、批評、解説、ニュース報道、教授、研究または調査等を目的とする著作権のある著作物のフェアユース(公正な利用)は、著作権の侵害とならないと規定されています。

日本の著作権法にフェアユースに関する規定はありませんが、アメリカ合衆国の著作権法にはフェアユースに関する規定があります。日本でもフェアユースの導入が検討されています。

考慮される事項

著作物の二次利用がフェアユースに当たるかどうかの判断材料として、主に次のようなものが使われています。

1841年の判例

アメリカ合衆国では、フェアユースの判断材料として、1841年のFolsom v. Marsh 判決が使われることがあります。具体的には次の通りです。

  • 抜粋の性質と目的
  • 利用された部分の量と価値
  • 原作品の売り上げの阻害、利益の減少、または目的の無意味化の度合い

これに基づけば、ウェブサイトの全文コピー&ペーストはフェアユースとして認められないということになります。

逆に、ウェブページのアーカイブ(Wayback Machine)など、有意な目的でなされており、かつフェアユースを受けた者への損失が発生していない場合には、基本的にフェアユースが認められます。

引用

引用の範囲内で無断転載を行う場合、著作権侵害には当たりません。

日本の法律では、一定の要件を満たした場合、「引用」が成立し、著作権侵害には問われないことになっています。また、アメリカ合衆国の著作権法にも引用に関する規定があります。

営利性

利用に営利性があることは、フェアユースの成立を妨げる原因となります。

フェアユースが認められた事例

リミックス

これは、ディズニーの著作物をフェアユースの規定に基づいて二次利用したムービーです。

ディズニーはさまざまな経緯から著作権に関して厳格であることで知られています。事例として、小学生が卒業制作としてプールに描いたディズニーの絵が「著作権侵害である」としてディズニー社に塗りつぶされてしまった、というものがあります(これに対して、「日本は著作権に関してルーズである」という批判もあります)。

このムービーはすでに200万再生を記録しており、概要欄には「米国の著作権法第107条に規定されている著作物のフェアユースを構成する」との記載があります(原文は英語)。

また、投稿者はこのムービーをCC BY-SA 3.0のもとでライセンスしており、誰もがこのムービーを二次利用することができるようになっています。

CC BY-SA 3.0は、フリーライセンスの一種です。ウィキペディアで使われています。このライセンスが適用された著作物は、製作者を明記し、同じCC BY-SA 3.0でライセンスすることで自由に無断転載することができます。

このリミックスは、さまざまなソース コンテンツの抜粋を組み合わせて、経済危機の時期の挑発的な表現による影響についての新しいメッセージを作成しています。ソース コンテンツに新しい意味を持たせるような作品は、フェアユースと見なすことができる場合があります。

フェアユース – YouTube

ニュース報道

こちらは、過去に問題となったテレビニュースです。

アシアナ航空214便着陸失敗事故を取り扱ったもので、パイロットの名前が「Sum Ting Wong」(=Something wrong、何かが変だ)「Wi Tu Lo」(=We too low、低すぎる)「Ho Lee Fuk」(=Holy fuck、なんてこった)「Bang Ding Ow」(=どかーん、あぁ)などと侮辱的な名前で放送されていたことから問題となりました。

ニュース報道も、フェアユースとして見なされることの多い用途です。この動画では、話題にもなった、問題のあるテレビニュースを取り上げています。コメンテーターは短いクリップを使用し、トピックを明確にしています。

フェアユース – YouTube

批評

フェアユースがよく見られるものの 1 つは批評です。この動画では、ホストが短いゲームプレイ クリップを使ってゲームを批評し、自分の言い分を伝えています。

フェアユース – YouTube

フェアユースが認められないケース

映画を最初から最後までYouTubeに公開したり、他人のウェブサイトをコピーして広告を貼り、対価を得る、などといった行為はフェアユースとして認められません。

また、引用を行う際は、主と従の関係を維持する必要があります。

主と従の関係とは、オリジナルの著作物と引用した著作物の量の比のことです。

「2XXX年4月1日の××新聞です(以下引用)」などとして新聞をそのまま掲載した場合、引用としては認められません。

また、引用を行う際は出処を明記する必要があります。ウェブ上のコンテンツを引用するのであればそのコンテンツのURLを、書籍を引用するのであればISBNを載せておきましょう。

日本にフェアユースはない

誤解されがちなのですが、今のところ、日本の著作権法にフェアユースに関する規定はありません

日本における著作権問題では、著作権侵害から逃れる理由として「フェアユース」は有効ではありません。